富山市大山地域の特産「ミョウガずし」を加工・販売する農業組合法人「味彩(あじさい)おおやま」(同市田畠)が、発足20周年を迎えた。地元産ミョウガの生産量減少や人材不足などに悩まされながらも、地元の女性が郷土の味を守ってきた。代表理事の眞田由香里さん(58)は「これからも組合員が力を合わせて作り続けていきたい」と話す。
ミョウガずしはササの葉に包まれた押しずしで、ミョウガの甘酢漬けを使用している。古くからミョウガ栽培が盛んだった大山地域で伝承されてきたおもてなし料理を商品化した。
味彩おおやまは2002年、地元の三つの農村女性グループが集まって設立。片手で食べられる手軽さと郷土の優しい味が評判を呼び、大山の定番のお土産として幅広いファンに愛されてきた。
近年は、農家の高齢化と後継者不足により地元産ミョウガの生産量が年々減少している。現在組合員は14人で、60~70代が中心。年間の加工・出荷数は6万5千個と、15年で半数程度に落ち込んでいる。
コロナ禍以降の包装資材の高騰化の影響で、10月から1個当たり10円値上げする。眞田さんは「苦渋の決断だが、仕方ない。恵み豊かな大山の味を受け継いでいきたい」と力を込めた。