昭和期の福井県内25商店街の様子を紹介する写真展が福井市の県立歴史博物館で開かれている。特徴的なアーチや街灯、イベントなどから、店同士が協力し集客の工夫をしてきたことを垣間見ることができる。
1961年の金津駅(現あわら市のJR芦原温泉駅)の駅前通り商店街には、縦長で個性的な街灯が並ぶ。通り一帯に統一感を出し、商店街のさまざまな店に立ち寄ってもらえるように演出していたという。
現存する商店街の昔懐かしい風景のほかに、無くなってしまった商店街の写真も展示している。84年の福井市の木田銀座商店街の写真では、夏祭りに合わせて「大売り出し」ののぼり旗が掲げられており、イベントに合わせて安売りをしていたことが分かる。
同館の学芸員は「商店街には、その地域らしさが詰まっている。個性的な風景は、まちづくりの手がかりにもなる」と話していた。
12月27日まで。10月22日からは特別展「百貨店の近代」を開催する。最先端の商品を販売し、商店街とともに地域の人々の生活を支えてきた様子を紹介する。