■「出演者からのエネルギー感じて」
　松本市のまつもと市民芸術館を中心に多彩な演劇やダンス公演を繰り広げる「ＦＥＳＴＡ（フェスタ）松本」が１０月１日に開幕する。市民と演劇文化を共有する場を目指し、昨年に続き２回目。同館総監督の串田和美さん（第２９回信毎賞受賞）が総合ディレクターを務める。同市出身者が関わる公演もあり、稽古が大詰めを迎えている。
　約２０公演を予定。串田さんの代表作の喜劇「スカパン」、劇作家で俳優の長塚圭史さんが演出を手がけたミュージカル「夜の女たち」や、同館を拠点とする劇団「ＴＣアルプ」が出演する創作劇「バッタの夕食会」、ダンサーの島地保武さんらが出演する「杜子春」などを上演する。
　同市出身者が制作したり、出演したりする作品もある。妊娠した男性を巡る人間模様を描いた「あなたがわたしを忘れた頃に」は、同市出身の高山さなえさん（４５）が作・演出を担当。同館で稽古を重ねており、高山さんは「地元での上演はとてもうれしい。テーマは重いが希望が見える作品。多くの人に見に来てもらいたい」と話す。
　イタリアの小説が原作の「ミッツアロのカラス」には同市出身の俳優秋本奈緒美さんが出演する。演出・脚色を手がけ、自らも出演する俳優の大森博史さん（６７）は「（演劇祭は）出演者が表現を磨くチャンス。そうした場所から生まれるエネルギーを感じてもらいたい」と話している。
　チケットは同館チケットセンター（電話０２６３・３３・２２００）へ。「あなたが―」の前売り券は完売している。