新潟県佐渡市の日本酒が気軽に楽しめる利き酒サーバーが、「両津港ターミナル売店」(佐渡市両津湊)に登場した。島内にある蔵元の酒が1カ所で堪能できるとあって、来店した観光客らがお目当ての銘柄を選び、ぐいのみに注いだ地酒を味わっていた。
観光やビジネスで訪れた人々に佐渡の日本酒をPRしようと、両津南埠頭(ふとう)ビルで売店を運営する佐渡汽船商事が23日、サーバーを設置。島内五つの蔵元が協力した。
利き酒サーバーを利用するには、専用コイン3枚とぐいのみ1個をセットで購入する。コイン1枚を投入すると、利き酒に適した一口分の地酒がぐいのみに注がれる。ぐいのみは白い陶器製やステンレス製のほか、佐渡を代表する無名異(むみょうい)焼など4種類。選ぶぐいのみによってセット価格が違い、500〜1600円。
サーバー設置の第1弾として、現在は四つの蔵元の純米酒、純米吟醸酒など12品をラインアップ。10月中には島内に五つあるすべての蔵元の日本酒をそろえる予定だ。佐渡汽船商事佐渡支店長の北村辰男さん(48)は「佐渡の日本酒を一堂に集め、常設のサーバーで飲み比べることができるのは、島内では珍しいのではないか」と話す。
来店者たちは、購入したぐいのみで酒を口に含み、「フルーティーだね」「酸味がある」など酒談議を交わしていた。新潟市中央区の公務員男性(60)は「とてもおいしかった。酒蔵の特徴を感じることができた」と話した。
サーバーの日本酒は今後、季節限定酒など定期的に入れ替える。北村さんは「佐渡の酒蔵巡りや、お気に入りの日本酒を見つけるきっかけになればありがたい。無名異焼のぐいのみを通じて、佐渡の伝統工芸のPRにもつなげたい」としている。
問い合わせは両津港ターミナル売店、0259(27)5673。