福井県勝山市の老舗酒蔵「一本義久保本店」で10月6日、新酒の仕込みが始まった。蔵人(くらびと)が大型タンクに長さ約4メートルの櫂棒(かいぼう)を入れ、均一にかき混ぜる作業に精を出した。
麹(こうじ)や酵母、水が入った大型タンクに、蒸した奥越産酒米「越の雫(しずく)」を投入。ひんやりとした仕込み蔵で作業を行い、2人の蔵人が櫂棒をゆっくり上下に動かし、かき混ぜた。
杜氏(とうじ)の醸造課長は「農家の皆さんのおかげで、例年通り質の良い酒米ができた。みずみずしく味わい深いお酒にしたい」と期待を込めた。来年6月まで蔵人9人が作業を続ける。
初搾りは27日の予定。初搾りの新酒は県内約400の飲食店で当日限定で提供される。新酒は11月4日から発売する。