俳優仲代達矢さん(89)が主宰する劇団無名塾のロングラン公演「いのちぼうにふろう物語」(北國新聞社後援)は10日、七尾市の能登演劇堂で千秋楽を迎えた。仲代さんはならず者たちの親代わりで、飯屋の主人「幾造(いくぞう)」役で迫力の演技を見せ、観客を物語の世界に引き込んだ。
9月4日の初演から全30回で計1万3265人が観賞した。カーテンコールで仲代さんら出演者が一礼すると、観客は席から立ち上がり拍手を送った。
「いのちぼうにふろう物語」は青年の純愛に心を打たれたならず者たちが、命懸けで力になろうとする人情劇で、山本周五郎の原作「深川安楽亭」を基に、仲代さんの亡き妻宮崎恭子(ペンネーム隆巴(りゅうともえ))さんが脚本を手掛けた。来年は国民文化祭に合わせて、仲代さんが演出を手掛ける長谷川等伯の生涯を描いた演劇公演が行われる。