大きなタイヤで山道を駆け抜ける楽しさを知ってほしいと、新潟県三条市の企業「剣謙心(つるぎけんしん)」は同市下田地区の山中に、約1キロのバギーコースを整備した。従業員が手作業でやぶ山を開拓した手作りのコースで「三条のアウトドアは、キャンプだけではなくバギーもある」とアピールしている。
剣謙心は、金物や工具の総合商社「坂謙」(同市嘉坪川1)のグループ会社で、包丁など刃物の製造販売をしている。坂謙の相談役が同市曲谷の山と別荘を所有していたことから、そこを利用してバギーコースを整備することを思い付いた。
剣謙心の長谷川隆社長は「うちはアウトドアグッズの開発にも関心があり、コースの整備は自然な流れと感じた」と振り返る。
整備は2年前に着手したが、それまで十数年間にわたって別荘を使用していなかったため、山道には背丈ほどのやぶが生い茂り、路面も見えない状態だった。積雪の期間を除き、数人の従業員が交代で現地を訪れ、草刈りや重機を使った整地などを繰り返してきた。
コースは2年がかりで完成し、10月にオープンへとこぎ着けた。別荘周辺をベースキャンプに、2人乗りのバギー1台と1人乗りのバギー2台を用意。林の中を縫うようにアップダウンのあるコースが整備され、利用客は悪路をものともしない、たくましい走りを体験できる。
長谷川社長は「新型コロナウイルスが落ち着けば、三条にも観光客が増えてくる。より多くの人に、自然の中で風を切る爽快感とおもしろさを感じてほしい」と話している。
料金は45分間(1人当たり)で、16歳以上3千円、11〜15歳1千円、4〜10歳500円。10月末までオープン記念として、2人乗りバギーを2人で3千円としている。完全予約制で前日までに申し込む。危険な天候と判断した場合は中止する。申し込み問い合わせはホームページへ。