五泉ニットの老舗メーカー、ウメダニット(新潟県五泉市今泉)が本社工場の一部を改修し、自社ブランド製品の販売店としてオープンした。店名は「The Knit Bar(ザ・ニット・バー)」。本社工場併設の立地を生かし、顧客との交流拠点と位置付け、寄せられた声を製品作りに生かしたい考えだ。
五泉は国内最大級のニット産地。他社ブランドの製品を生産するOEMが主力だが、近年は自社ブランドを育成する動きが広がっている。市内の高橋ニットも昨年、自社ブランドを取り扱う店舗を泉町2にオープンした。
ウメダニットは1961年創業。編み目が細かく、上質なハイゲージ品を得意とする。近年は「ラッピンノット」や「カラン」といった自社ブランドに力を入れており、自社ブランドを専門に取り扱う直営店を初めて設けた。
広さは約70平方メートル。セーターやカーディガン、スカートなど女性・男性用衣類を中心に、衣類のケア用品を含む数十点を取り扱う。特に最近展開するドッグウエアブランド「ワンツ」の品ぞろえに重点を置いた。創業時から使う本社工場の建物を活用することで、武骨な工場らしさを残しつつシャープでモダンな空間に仕上げたという。
店名には「バーで飲み語らうように顧客との対話が生まれる場にしたい」との思いが込められている。店内にはカフェスペースがあり、将来的に飲食の提供を検討する。製品作りの見学や、企画展などのイベント開催も視野に入れる。
社長の梅田大樹さん(42)は「時代が変わり、ニットの良さや技術をわれわれが直接伝えないといけない。リアルなこの場なら(顧客からの)フィードバックを直接聞くこともできる」と語った。
営業は土日月曜の午前11時〜午後4時。問い合わせは同社、0250(43)0600。