日本画の大作が並ぶ会場=県民会館

日本画の大作が並ぶ会場=県民会館

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新たな表現追究66点 院展富山展、3年ぶり県民会館で開幕

北日本新聞(2023年2月5日)

 国内最大規模の日本画公募展「院展」の巡回展「再興第107回院展富山展」が4日、県民会館美術館で開幕した。現代の日本画壇をリードする巨匠の秀作や県ゆかりの作家の力作66点を展示。伝統的な技法を学びつつ、新たな表現を追究し続ける院展の風土を伝えている。19日まで。

 県内での開催は3年ぶり。昨秋の東京都美術館での本展からえりすぐった同人の大作や、北陸ゆかりの作家の受賞作などを紹介している。

 日本美術院理事長、田渕俊夫さん(東京)の「輝きの朝」はポーランドの古都の風景を題材に、日が昇り始めた瞬間を捉えている。

 同人の下田義寛(よしひろ)さん(滑川出身、東京)は巣から飛び立つオオタカをダイナミックに描いた。同じく同人の高島圭史さん(元富山大教授、同)は立山で雪渓を目にした時の感動をモノクロームの画面に託した。

 特待の西藤哲夫さん(高岡)、院友の角野千佳子さん(富山出身、和歌山)、竹原美也子さん(魚津出身、東京)、幸亮太さん(高岡)、初入選した安部温(はる)さん(高岡出身、群馬)の作品も並ぶ。

 開会式で下田さんは「院展には先輩たちの時代からずっと『ただ対象を描き写すのではなく、ものの気配を描く』という考え方がある。対象から発せられる声に耳を傾ける姿勢が大切だ」と語った。出品作家による作品解説会もあった。

 県民会館と日本美術院、北日本放送、北日本新聞社主催。

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