サンキョーフーズの「新潟県産米 食べくらべセット」。SNSで話題になった

サンキョーフーズの「新潟県産米 食べくらべセット」。SNSで話題になった

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SNSで話題、新潟米おにぎりセットは白米のみで勝負!

新潟日報(2023年2月16日)

 サンキョーフーズ(新潟市中央区)が製造する「新潟県産米 食べくらべセット」がSNSで話題となり、発売から1年がたっても販売数を伸ばしている。具材が一切ない塩むすびだけを3種類1パックにした斬新な商品。「変態的おむすび弁当」というツイッターへの投稿をきっかけに売り上げが急増した。サンキョーフーズは「下手に飾るよりシンプルさが受けたのかも」と想定外の反応に驚いている。

 サンキョーフーズは、のりや珍味などを販売するカネタ・ツーワン(仙台市)のグループ会社。のり製造のほか、県内スーパー向けに巻き寿司の製造も行ってきた。

 セットの開発は、駅構内でコンビニ「ニューデイズ」を運営するJR東日本クロスステーション(東京)から、観光や出張で本県を訪れる人向けに「新潟のコメのおいしさを幅広く知ってもらえるような食べ比べセットができないか」と提案を受けたのがきっかけだ。

 コメは新潟を代表する「南魚沼産コシヒカリ」に粒の大きい「新之助」、もちもちとした食感が特徴の「ミルキークイーン」。漬物を添える案もあったが、「コメで勝負したい」というJR側の意向もあり、具を入れず、村上市の景勝地・笹川流れの海水からできた「笹川流れの塩」のみで味付けした。

 2021年12月、ニューデイズで売り出した。おにぎりはそれぞれ約90グラムと食べ応えがある。ご飯が手に付くことを気にする人もいるため、食べやすさを考えて、のりを5枚付けた。パッケージは、おにぎりの白さが際立つよう透明で文字も極力小さくしている。

 サンキョーフーズの渡辺稔営業課長(50)は「まずは売り場に置いて発信できればいいなと思っていたので、売り上げの目標は持ってなかった」と打ち明ける。

 潮目が変わったのは、発売1年を目前にした22年11月。消費者が「新潟駅で買った変態的おむすび弁当(褒め言葉)」とツイッターに投稿した。すると、1日約50パックだった販売数は3倍の150パックに急増した。

 このツイートにはわずか1カ月でリツイートが3万件、「いいね」も約14万件寄せられた。「新潟に行ってみようかな」「試してみたい。アイデアとして面白く、塩むすびなのが魅力」などとコメントも書き込まれた。

 食べ比べセットの累計販売数は約1万5千パックに上る。渡辺課長は「酒の飲み比べはあっても、コメの食べ比べはありそうでなかった。コメ離れが言われる中でも多くの皆さんに興味を持ってもらえた」と手応えを語る。

 現在はJR新潟駅構内のニューデイズや、土日祝日限定で新潟ふるさと村(新潟市西区)で購入できる。1パック約450円。渡辺課長は「あちこちで売ると価値が下がってしまう。これ以上の販路拡大は今のところ予定していない」と話した。

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