地域に伝わるひな人形を新潟県新発田市内各地で公開する「しばたひなびらき」が始まった。2回目の今年は12会場に増え、新たに加わった米倉集落のカフェでは豪華な7段飾り3組が並び来場者を待っている。
郊外の米倉集落では、大正時代に建てられた住宅を活用したギャラリー兼カフェ「絵のある風景」と、有機の里交流センターの2カ所が会場になる。カフェでは、地域の個人宅で眠っていた40〜50年前のひな人形の展示準備が整った。
座敷で朱色が映える7段飾りを前に正座した店主の肥田野隆三さん(72)は「この高さから眺めたときに一つ一つの人形と目線が合うようにできているんですね」と紹介。「冬は冬眠状態みたいなカフェだから、おひなさまに明るくしてもらってありがたい」と笑顔で眺めた。
しばたひなびらきは、新発田ゆかりの豪商大倉喜八郎の別邸「蔵春閣」が東京からJR新発田駅近くへ移築されたことを受け、2022年に有志が「駅前を盛り上げよう」と始めた。
4月1日までの期間中、駅周辺の神社や寺、飲食店などの会場と合わせて約50組のひな人形を飾る。三光寺では建屋付きの珍しい「御殿飾りびな」も公開される。19の菓子店や飲食店でもひな祭りメニューが期間限定で販売される。