南相木村の第三セクター「村故郷ふれあい公社」が運営する日帰り入浴施設「南相木温泉 滝見の湯」は、村産野菜や佐久市産のシナノユキマスなど佐久地域の食材をふんだんに使ったメニューを開発した。コンサルティング会社に依頼して進めている経営や運営態勢の強化の一環。施設を充実させ、村の活性化につなげる狙い。新メニューは21日から提供する。
最盛期は年間約11万人が来場したこともあったが、新型コロナの影響などで昨年度は半数まで落ち込んだ。公社は昨年夏、食を通じた地域活性化などに取り組む「NextFoodCulture」(東京)に施設内の食事処(どころ)などの監修を依頼した。
同社社長で料理人の鈴木啓泰(ひろやす)さん(37)によると、これまでは地元食材がほとんど使われていなかったといい、地元農家らに会って食材やおいしい食べ方を模索。村の特色が出るようにこだわった。
食材を無駄なく使うことにし、シナノユキマスはじっくり火を通して丸ごと食べられるように工夫。村特産の白菜のマリネや花豆のチーズケーキ、コース料理も考えた。
「農家の皆さんからもっと話を聞き、生産者の顔が見えるような料理を考えたい」と鈴木さん。今後は他のメニューの開発や働き方の見直しなどにも取り組むという。