かつて新潟県の五泉市と加茂市を結び、約40年前まで走行していた蒲原鉄道の車両「モハ11」が3月25日、塗装などの修復作業を終え、市民らにお披露目された。五泉市の村松郷土資料館に隣接する城跡公園で、セレモニーが行われ、大勢の鉄道ファンらがモハ11の"復活"を喜んだ。
蒲原鉄道のモハ11は昭和初期に製造された車両で、高さが4メートル、長さは12・4メートル。車体は黄色とえんじのツートンカラーで、村松-加茂間が廃止となった1985年まで走行していた。
五泉市によると、路線廃止の翌年から展示車両として城跡公園で保存してきたが、老朽化が進んだことなどから再生プロジェクトを設立。昨年6月に修繕費を募るクラウドファンディング(CF)を開始すると、約3カ月で329万8千円が寄せられた。支援金は塗装や屋根部分の防水工事費などに充てられた。
セレモニーでは、田辺正幸市長が「多くの方の力でモハ11が輝かしい姿に生まれ変わった」と感謝。蒲原鉄道の茂野一弘社長は「この地に電車が走っていた記憶を今後も伝え続けたい」と述べた。その後、関係者がテープカットを行った。
家族3人で訪れた市内の会社員男性(42)は「小さい頃に乗った思い出がある。こんなにきれいになってうれしい」と笑顔だった。