住設・暖房製造のコロナ(新潟県三条市)は、2021年秋に引退した2階建て上越新幹線E4系「Maxとき」モデルの衣類乾燥除湿機を5月から数量限定で販売する。社内の鉄道好き社員が発案し、新幹線の車体をイメージしたデザインや、運転ボタンを押すと流れる発車ベルの音などで鉄道ファンにアピールする。
部署を横断して結成した鉄道好き社員のチームが商品開発した第2弾。燕三条駅と新潟駅に昨年11月から試作機を約2カ月間展示したところ、交流サイト(SNS)などで製品化を求める声が多数あり、販売が決まった。
デザインは3羽のトキが描かれ、青と白をベースにトキの羽を思わせるピンクのラインで車体を再現した。運転ボタンを押すと、新幹線の新潟駅の発車ベルが流れ、停止時には到着時の車内チャイムが流れる。音源をJR東日本から提供してもらい、メロディーを忠実に再現するためにスピーカーを内蔵するなどこだわった。
製品の背面には1台ごとに座席表示をモチーフにしたシリアルナンバーを貼った。2階建て16両編成の座席数と同じ1634台限定で販売する。
鉄道チームの一員で、普段は給湯機の設計をしている技術本部エコ商品開発グループの谷地田(やちだ)貴章さん(45)は「地域の方に愛された列車に感謝の気持ちを込めて企画した。発車ベルの音で楽しい家事につなげてほしい」と話している。
価格は6万6千円。5月22日からコロナとJR東のオンラインストアで販売する。4月28日午後4時まで、817台分を先行予約する。予約特典でMaxで実際に使われていた座席シート生地を再利用したクッションをプレゼントする。
鉄道のコラボ商品は、昨年秋にJR磐越西線の「SLばんえつ物語」をけん引する蒸気機関車(SL)をモチーフにした石油ストーブを発売。限定千台が完売し好評だった。