きめ細かく美しい色合いが人気の真珠「若狭パール」の核入れ作業が、福井県おおい町内で本格化している。今年は母貝となるアコヤガイの個数がやや少ないものの状態が良く、身がふっくらしているため「良い玉が期待できる」と関係者。冬には深い光沢を持った真珠がお目見えする。
同町犬見の間宮真珠養殖場では、19日から核入れ作業が始まった。三重県から仕入れている貝がプランクトンなどの餌不足で少なく、作業量は昨年より少ない約7万個を見込んでいる。
30日には、従業員4人がアコヤガイの卵巣に切り込みを入れ、直径約6ミリの核と1ミリ四方に切った細胞「外とう膜」を移植していった。1個あたりの作業時間は30秒ほどで従業員は「貝をなるべく弱らせないよう手早く繊細に」と話す。作業は1日平均約1300個のペースで7月上旬まで続くという。
核入れ後は作業場近くのいかだにつり下げ、1カ月ほどしたら沖合に移す。カキやフジツボといった付着物を取り除きながら冬まで育てると、外とう膜が核にまとわりつき美しい真珠層が形成されて若狭パールが誕生する。
10年近く核入れに従事する間宮さんは「今年の貝は何年かに1度の特に良い状態。美しい仕上がりになってほしい」と話していた。
若狭パールは12月に取り出され、三重県に卸したり、自社で加工したりして販売する。