2024年に予定される曹洞宗大本山總持寺の開祖、瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師の700回大遠忌(だいおんき)に向けた予修法要が5日、輪島市門前町の總持寺祖院で営まれる。開創700年の節目だった21年はコロナ禍で祖院への参拝者数も想定を大きく下回った。コロナの5類移行後の予修法要には300人超の参拝団が訪れる予定で、市や地元商店街は50年に1度の大法要を機に、總持寺の「原点の地」が再び脚光を浴びるよう期待を寄せる。
曹洞宗では、発展に関わった道元禅師や瑩山禅師らの法要を大遠忌と呼び、50回忌以降は50年ごとに特別な法要を行っている。瑩山禅師の700回忌に当たる24年は、4月に横浜市鶴見区の總持寺で大法要が営まれる。
その前年にあたる23年は国内9管区で順に予修法要が執り行われ、北信越管区の法要が5日に總持寺祖院である。總持寺貫首の石附周行(いしづきしゅうこう)禅師が導師を務め、300人を超える僧侶や檀信徒が参列する見通しだという。
總持寺祖院は、21年の開創700年に合わせて、輪島市とともに地元・門前地区のにぎわいづくりや禅文化の発信に取り組んできた。門前町の商店主らでつくる総持寺通り協同組合も、商店街の空き店舗を解消して土産品を開発するなど参拝客を迎える準備を進めてきた。
しかし、コロナの影響で21年度の参拝者数は想定の10万人を大幅に下回る4万人弱にとどまった。受け入れた曹洞宗関係者の参拝団もわずかだった。
總持寺祖院には瑩山禅師の霊廟(れいびょう)「伝燈院」があり、曹洞宗関係者が多く巡礼することが予想される。5日の法要で協同組合は境内に露店を構え、地元の特産品や軽食を用意するなど歓待する計画だ。
市の担当者は「来年に向け開創の地である門前に足を運んでもらえるような仕掛けを考えていきたい」と話し、協同組合の能村武文代表理事(65)は「再び地元を挙げて受け入れ態勢を整えたい」と力を込めた。
★瑩山紹瑾(けいざんじょうきん、1264~1325年) 越前の国生まれ。曹洞宗の第4祖で、58歳の時に能登で總持寺を開いた。多くの優秀な弟子を輩出、教団組織の礎を築き、太祖大師としてあがめられている。羽咋の永光寺も開き、金沢の大乘寺の住職なども務めた。