熱演する中村勘九郎さん(左)と七之助さん=12日、松本市のまつもと市民芸術館(協力松竹株式会社)

熱演する中村勘九郎さん(左)と七之助さん=12日、松本市のまつもと市民芸術館(協力松竹株式会社)

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古典の静と動、新作の軽やかさも 「信州・まつもと大歌舞伎」開幕

信濃毎日新聞(2024年7月13日)

 3年ぶり8回目となる「信州・まつもと大歌舞伎」が12日、松本市のまつもと市民芸術館で幕を開けた。江戸期の舞踊劇「正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)」「流星」と、落語が原作の新作「福叶(ふくかなう)神恋(かみのこい)噺(ばな)」を上演。古典と新作の双方で約1400人の観客を沸かせた。

 「流星」で七夕の夜に牽牛(けんぎゅう)と織女の前に現れる流星を演じた中村勘九郎さんは、赤いふんどし姿で客席の通路に登場。三味線や唄に合わせて1人で5役を演じ分けた。「福叶神恋噺」では、働かずに方々で借金をつくる大工の男に中村七之助さん演じる貧乏神が取りつく。落語らしい軽妙なやりとりで人々の交流を描き、観客の笑いを誘った。

 ほぼ毎回観劇しているという松本市の会社員近藤理恵さんは「公演を待ちわびていた。おはやしで作品の世界に引き込まれ、静と動がはっきりとした役者の踊りに目を奪われた」と話していた。

 松本市、信濃毎日新聞社などでつくる実行委員会の主催。15日まで全6公演を予定する。

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