明治後期から昭和にかけて京都画壇で活躍した旧福光町出身の日本画家、石崎光瑤(1884~1947年)の初の巡回展となる「花鳥画の極(きわみ) Real&Spirit 生誕140年記念石崎光瑤」が13日、富山県南砺市福光美術館で開幕した。初期から晩年までの作品を一堂に展示し、意欲あふれる創作姿勢や画業を伝えている。9月2日まで。
光瑤は、京都で竹内栖鳳に師事。1912(大正元)年に第6回文展に初入選して以来、文展や帝展を中心に作品を発表してきた。
当時の画壇で大きな反響を呼んだ代表作「熱国妍春(ねっこくけんしゅん)」や「燦雨(さんう)」をはじめ、12枚からなる高野山金剛峯寺奥殿襖(ふすま)絵「虹雉(こうち)」など約80点を展示。常設展示室も使い、過去最大規模の作品数をそろえた。
8月7日からの後期展では、同寺奥殿襖絵「雪嶺(せつれい)」の8枚を同寺以外で初公開する。
開会式後、京都文化博物館の植田彩芳子(さよこ)主任学芸員が、福光美術館の川邉紫音学芸員と共に作品を解説。前期のみの展示となる「熱国妍春」については「余白なく描き込み華やかな作品。文展で特選を取り、地位を築いた作品。見逃さず見てほしい」と呼びかけた。
日展副理事長で日本画家の土屋礼一さんによる記念トークイベントもあり、「光瑤はそれ以降の日本画の先駆けのような人だった」と評した。
会期後は京都文化博物館や静岡県立美術館を巡回する。北日本新聞社共催。