氷見高校海洋科学科の生徒が食用化を目指している「駆除ウニ」が、高岡市清水町のフレンチレストラン「エス エール トロワ」で、フランス料理の食材として用いられることになった。オーナーシェフの村田晴児さん(44)が、地元の海の「厄介者」であるウニを食材として活用しようという生徒たちの取り組みに賛同。16日は同店で駆除ウニを使った一皿の試食会が開かれた。
食用化に取り組んでいるのは海洋科学科の3年生6人で、藻場の海藻を食い荒らすウニを駆除。そうしたウニは身が少なく食用に適さないため、県内農家の廃棄野菜を餌として与え、食材として使えるようにならないか試行錯誤している。
村田シェフがこの活動を知り、「生徒たちの力になるためにも食材に使いたい」と氷見高校に打診した。富山の食材を使うことにこだわっており、まだ身は少ないものの、地域の環境問題に向き合っているという食材の「ストーリー性」にも引かれたという。
メニュー化したのは、ウニの餌としている小松菜とトマトのピューレ、ウニの身、ウニを入れたアイスクリームを合わせた一品。生徒6人が村田シェフの説明を聞きながら試食し、フレンチの技術による繊細な味の調和を楽しんだ。
駆除ウニは生産量が限られているため、店は7月下旬の限定客向けイベントでこの料理を提供する。生産量が拡大すれば通常メニューにも加えたいという。