北陸新幹線県内開業に合わせ、福井県永平寺町商工会は旅行業者向けに町内の名勝や飲食店、体験コンテンツなどをまとめた観光素材集を作った。町の魅力発信に注力し、開業効果を町内に波及させる。7月17日は掲載事業者による意見交換会が町内で開かれ、観光コンテンツの創出や強化に向け知恵を出し合った。
素材集は「ZENTABI」と題し、町内の観光情報を一冊に整理した。飲食店や宿泊施設など約100事業者らの情報を網羅。九頭竜川のアユ釣りやカヤックなどの体験なども盛り込んでいる。
町商工観光課によると、北陸新幹線県内開業後、旅行業者などから町内の体験コンテンツに関する問い合わせが増加しており、町は冊子を活用して働きかけを強化し新たなツアー創出につなげたい考え。
異業種交流などを図ろうと17日に町魅力発信交流施設「えい坊館」で開かれた意見交換会には掲載事業者約20人が参加した。県観光連盟の観光地域づくりマネージャーを務める佐竹正範さんが基調講演し、町内の観光客は50~60代の夫婦が中心で、新幹線開業後は東京からの割合が増加していると説明。「訪れる観光客層を意識した商品開発などが大切」と述べた。一方で、人口減少などを背景に国内のマーケットは縮小するとして「インバウンド(訪日客)への対応が欠かせない」と呼びかけた。
参加した事業者からは「さらなる魅力アップが重要」「中部縦貫自動車道大野油坂道路の全線開通に向けた誘客対策も力を入れるべきだ」などの発表があった。