石川県立美術館で開催中の奈良国立博物館展「まるごと奈良博」は18日、金沢市内外から団体客が続々と訪れ、至高の仏教美術に触れた喜びを仲間と分かち合った。野々市市華道協会の約20人は、国や時代によって異なる仏像の顔つきを興味深げに観察し、感想を言い合いながら仏教の奥深さをかみしめた。
野々市華道協会のメンバーは、3~4世紀のクシャーン朝の菩薩(ぼさつ)立像に足を止め、目鼻立ちがくっきりした西洋風の顔立ちにじっくりと見入った。2歳の頃の聖徳太子をかたどった「南無仏太子(なむぶつたいし)立像」や、神仏習合の浸透を示す曼荼羅(まんだら)も注目を集めた。
●「もう一度見たい」
西保淳甫会長(嵯峨御流)は「身近でこれだけ多くの国宝級の宝を見られるのは貴重だ。今度は音声ガイドを付けてもう一度見たい」と語った。
この日は金沢市の伏見台校下老人会、中村記念美術館友の会も団体鑑賞に訪れた。
奈良博展は「ポスト国民文化祭」の目玉事業として県、県立美術館、北國新聞社でつくる実行委員会が主催し、国宝8点、重要文化財93点の計205点が展示される。
前期は28日まで。後期は31日~8月25日に開かれる。開館時間は午前9時半~午後6時。入場料は一般1500円、大学生千円、高校生800円、小中学生500円。内灘町以北の小中学生は無料となる。