「ロートレックとベル・エポック PARIS-1900年」展が20日、富山県の高岡市美術館で開幕した。ベル・エポック(美しき時代)といわれる19世紀末から20世紀初めのパリで活躍した画家ロートレックやドガ、マネ、ミュシャらの版画がそろい、来場者は当時の街を彩ったアートに見入った。9月16日まで。
芸術の都に集まった画家ら145人の版画を中心に油彩、水彩画などを含む327点を展示している。
大胆な構図で人物を生き生きと描いたロートレックや、アールヌーボーを代表するミュシャらの芸術性の高いポスターがそろう。開幕を心待ちにしていた南砺市の長谷川真佐代さんは「質感が表れていて素晴らしい。来て良かった」と笑顔を見せた。
万博と五輪がパリで開催された1900年を中心に、華やかな文化が息づいた時代の街の空気感が伝わる。高岡市の山田利郎さん(75)は、妻の由貴さん(75)と鑑賞し「時代なのか、どの絵も優しい印象」と魅了された様子だった。
この時代の新しい画法だったリトグラフ(石版画)をはじめ、エッチングや木版画が並ぶ。学生時代に版画を学んだ同市の上田未来さん(25)は「いろんな色を使っている石版画が面白かった」と関心を深めた。
高岡市美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会主催。同館開館30周年、北日本新聞創刊140周年記念事業。