太鼓の音色で能登半島地震の被災者を勇気づけようと、能登の団体が21日、七尾市和倉温泉お祭り会館で「元気フェスタ」(北國新聞社後援)と銘打ったイベントを開催した。地震で活動の場を失った輪島と七尾の合同チームのほか、液状化被害の出た氷見市からも参加。勇壮な演技で被災地同士の絆を強くし、一日も早い復旧復興へ力強く進む決意を新たにした。
お祭り会館前の広場に特設ステージを設け、計20団体が出演した。合同チームを結成した輪島キリコ太鼓保存会(輪島市)、和倉いでゆ太鼓(七尾市)、外(そで)雷(いかずち)太鼓(同)の3団体が息の合った音色を響かせ、会場から大きな拍手が起きた。
輪島市名舟地区の県無形民俗文化財「御陣乗(ごじんじょ)太鼓」の保存会6人は、夜叉(やしゃ)や幽霊の面を着けて、気迫のこもった太鼓を披露した。槌谷博之事務局長(57)は「毎晩演奏していた和倉温泉でまた太鼓がたたけてうれしい」と笑顔を見せた。
●「復興の力に」
氷見市からは氷見有磯太鼓が参加した。5月に同市のひみ番屋街で開かれた復興イベントに能登の太鼓団体を招いた縁で招待され、メンバーは「復興に向け少しでも力になれれば」と気持ちのこもったばちさばきを披露した。
元気フェスタは能登ふるさと博の一環として開催され、能登各地の名所を紹介するブースが設けられた。会場には地震で休業中の和倉温泉の飲食店が屋台を出した。山崎弘生(みつお)実行委員長(34)は「各団体の太鼓の音に勇気づけられた。復興まで先が長いので、これを機に前向きになれるといい」と話した。