3千年にわたって栄えた巨大文明の神秘と美の世界を見つめる「古代エジプト美術館展」(福井県立美術館、福井新聞社、福井テレビでつくる実行委員会主催)が7月20日、福井市の同館で開幕した。古代の死生観を映したミイラマスクや木棺をはじめ、王の権威を示す巨大な円柱基部やレリーフ、日常を彩った色鮮やかな装飾品が並び、訪れた親子連れらがじっくりと見入った。
「古代エジプト美術館 渋谷」(東京)のコレクション展。紀元前3000年ごろの初期王朝時代から紀元前30年ごろに滅んだプトレマイオス朝までの遺物約200点が展示されている。
色鮮やかな厨子(ずし)装飾や青銅の神像は、ガラスなど異なる素材をはめる象眼技法を用いており、古代エジプトの美的センスと高い技術が堪能できる。大きな人型木棺には死者の魂が復活を果たすまでのストーリーが描かれており、美しい絵や文様が多くの人を引きつけていた。
ピラミッドの中をイメージして設営された会場は、暗闇に円柱や彫像が照らし出され、宝物を探索するような気分が味わえる。会場は一部を除き撮影可能(フラッシュ、動画は不可)。