国内最大級の人形劇の祭典「いいだ人形劇フェスタ」は1日、飯田市を主会場に開幕する。今年は、昨年まで唯一の屋外特設ステージだった「フェスタセントラルパーク」の会場を、夏の暑さ対策のため屋内の「丘の上結いスクエア」に移す。市民有志が運営を担う実行委パーク部会は、セントラルパークのにぎやかな雰囲気を新会場でも実現しようと、開幕直前まで準備を重ねた。
パークは昨年まで市中央公園に開設。人形劇だけでなく大道芸など多彩な演目を用意し、子どもから高齢者まで幅広く来場できるのが特徴だ。だが、近年の酷暑で熱中症対策が急務となり、今年から屋内への会場変更を決めた。
新会場でも昨年同様、4日間に人形劇に加え大道芸や腹話術などの約40公演を計画。幕あいには地元のギターや歌の愛好者による演奏会もある。また、親子連れが立ち寄りやすいようパーク内に「キッズルーム」を新設し、子ども向けの机や椅子などを置く。
パーク部会は、中高生時代からボランティアとして携わる30歳前後の若手を中心に14人が活動する。部会メンバーで市内の主婦、後藤梢絵さん(27)は、親になって子どもと一緒に訪れられる場が貴重だと気付いたといい、「お祭りのようなパークの雰囲気を生かした会場にしたい」と話す。
幕あいの演奏会やキッズルームは、有料の参加証ワッペンがなくても来場できる。中学時代から携わる市内の塾講師、吉沢幸代さん(31)は、ボランティアや部会員の減少が進んでいるとし「フェスタは行事運営の経験を楽しく積める。自分もやってみたいと思ってもらえるよう、気軽に訪れられるパークにしたい」と意気込んでいる。