北アルプスの上高地ビジターセンター(松本市安曇)で、登山者や観光客に熊の生態を伝える講座「上高地のクマ」が開かれている。上高地は国内有数の山岳リゾートとして多くの観光客らが訪れる一方、ツキノワグマなど野生動物の生息地でもある。昨年9月には河童橋北方の梓川右岸で男性が熊に襲われる事故が発生。自然公園財団上高地支部(同)が熊の生態に関して正しい知識を身に付けた上で、散策を楽しんでもらおうと企画した。参加費無料で、11月中旬まで毎日開いている。
講師は、同財団・野生動物対策担当の香取草平さん(30)。香取さんは、熊は本来臆病な生き物だが、人間の食材の味を覚えてキャンプ場に近づくことがあり、人に遭遇した時の防衛反応で人身事故が起きてしまうと説明。キャンプ場に設置されている食料庫の利用や熊鈴の持参など、対策を実行してほしいと呼びかける。
平日、日曜、連休最終日は午後2時から、土曜、祝日は午後2時と同3時から開催。各回30分程度。