優れた芸術文化に触れられる機会を提供し、国内外の芸術関係者との交流を促進する第2回熊川宿若狭芸術祭が8月20日、福井県若狭町の熊川宿で始まった。29日までは熊川宿若狭美術館で、県内外の若手を中心とした現代美術作家と障害のあるアーティストの計5人が地域の歴史、文化などを基にした作品を公開制作する。
同芸術祭は県と県文化振興事業団、若狭町、同館を運営するNPO法人「若狭美&Bネット」、若狭熊川宿まちづくり特別委員会でつくる実行委が主催。昨年に続いての開催で、熊川宿を世界の文化交流拠点地域として持続的に発展させることを目指している。
公開制作のテーマは「臨場」。現代美術作家の千原真実さん、堀内悠希さん、小林雅代さん、長谷光城さんの4人と、視覚障害のある柴山信宏さんが10日間町内に滞在して取り組む。あわら市金津創作の森館長で同事業団の芸術文化アドバイザーも務める野田訓生さんが制作過程を観察して批評や記録を行う。
20日は、千原さんは若狭町内の風景写真にアクリル絵の具を塗って別の風景を浮かび上がらせる作業を進めていた。小林さんは縦10メートル、横42センチの透けた紙にミシンで糸を縫っていた。何枚も重ね合わせ、自然や時の揺らぎを表現するという。
24日午後2時からは熊川宿若狭美術館で野田さんを含む6人によるオープニングトークが行われる。完成作品は31日~9月30日に同館で展示する。
29日までの公開制作期間は無休で入場無料。午前10時から午後4時に開館する。最終日は午後2時まで。展示期間は入館料(協賛金)200円で、金土日月曜と祝日の午前10時~午後4時半に開館する。初日は午後1時から。問い合わせは同館=電話050(3565)5885。