輪島市街地の4神社で連続して祭りが行われる「輪島大祭」は22日、奥津比咩(おきつひめ)神社(海士(あま)町)の大祭で幕を開けた。同神社は能登半島地震を受けて規模を縮小して神事のみを行い、氏子が早期復興を願った。
鳳至町にある同神社里宮は地震で裏山が崩れるなどして安全性が確保されていないため、神事の出席者は氏子の代表と復旧工事関係者ら10人に絞った。社殿は電気が通じていないため、薄暗い中で行われた。
大竹亮宮司(43)が祝詞を奏上し、氏子総代長の遠島藤彦さん(66)らが玉串をささげた。
同神社での神事は元日以来となり、大竹宮司は「当初は道路でしなければいけないかと思ったが、お宮の中でできて良かった」とあいさつした。氏子が神輿(みこし)を担いで海を練り歩く海中渡御は中止されたが、遠島さんは「お祭りができただけでもうれしい。来年は盛大に開催できるよう努力したい」と語り、副総代長の冨島勉さん(55)は「人数が少なくて少しさみしかった」と述べた。
輪島大祭は奥津比咩、重蔵(河井町)、住吉(鳳至町)、輪島前(さき)(輪島崎町)の4神社で順に祭礼が営まれる。地震で道路などが傷んだため、今年はキリコが練るのは重蔵神社のみで、神輿が巡行するのは重蔵と住吉の両神社となる。