町家の活用に乗り出す白銀さん夫婦

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にぎわい創出へ町家活用 高岡山町筋の白銀家、演奏会や講座定期的に

北日本新聞(2024年8月25日)

 国重要伝統的建造物群保存地区の山町筋にある土蔵造りの町家「白銀(しろがね)家」(高岡市小馬出町)の所有者が、地域のにぎわいづくりにつなげようと同家の活用に乗り出す。座敷を会場に、演奏会や体験講座を定期的に開いていく。第1弾となるピアノコンサートが23日夜開かれ、住民らが趣ある空間で美しい旋律に聴き入った。

 白銀家は1900(明治33)年の高岡大火後に建ち、履物商の店舗として使われた。昭和50年代に現所有者の白銀嘉明さん(69)の母が購入し、呉服店を営んできたが、20年前に亡くなってからは空き家になっていた。

 建物は傷みが激しく、2022年から1年ほどかけて修繕した。これを機に、かつて商人の町として栄えた山町筋のにぎわいを少しでも取り戻そうと、活用に踏み切ることにした。

 1階の座敷を会場に、若手音楽家によるクラシックの演奏会や音楽講座、地域で活躍する人を講師に招いたワークショップを定期的に開く。座敷にはドイツ製のピアノを設置した。

 初回のコンサートは地元ゆかりのピアニスト、中川佳美さん(34)が出演し、幅広い年代の約50人が楽しんだ。中川さんは「お客さんの顔が見える距離で演奏できる。一緒に曲を囲むような温かい雰囲気がある」と語った。

 白銀さんは「皆さんの声を参考に、楽しんでもらえる空間をつくっていきたい」と話した。高校の元音楽教師でもある白銀さんの妻の裕子さん(67)は「音楽や身近な文化を気軽に感じられる場所にしたい。若手音楽家の応援にもつながればうれしい」と笑顔を見せた。

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