北アルプス南部の登山道の維持・整備に充てる「協力金」を募る収受箱が1日、乗鞍岳(3026メートル)の山小屋4軒に設置された。北ア南部の山小屋や環境省などでつくる「北アルプス登山道等維持連絡協議会」の取り組み。今後も安全に登山を楽しめるよう広く協力を呼びかけたいとし、協力した登山者には「協力証」を配布する。
北ア南部では2021年、槍・穂高連峰の長野県側などで協力金の募集を試験的に開始。23年から一口500円を目安に本格導入した。槍・穂高連峰や常念山脈などの山小屋22軒に収受箱を置き、オンライン決済などでも受け付ける。23年度は540万円余が集まった。
新たに設置した4軒は乗鞍岳頂上小屋、肩ノ小屋、位ケ原(くらいがはら)山荘、冷泉小屋。位ケ原山荘では早速協力金を入れる登山者がおり、経営する六辻徹夫さん(56)は「人手の問題などで十分に登山道を整備できていないが、募金も活用して歩きやすい道を維持したい」と話した。
環境省中部山岳国立公園管理事務所(松本市)は「協力金への認識が少しずつ広まってきた。災害時の対応も含め、登山道の維持につなげたい」としている。
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