福井県越前市が、10月のたけふ菊人形に合わせたインバウンド(訪日客)誘致策の目玉の一つとする自動走行モビリティーの実証実験が9月12日、同市京町3丁目の寺町通りなどで行われた。外国人らが試乗し、寺社が並ぶ石畳の道をゆっくりと巡った。
市は菊人形会期中の10月10~14日、海外富裕層向けの観光ツアーを企画。市内の伝統工芸産地や名所、料亭を巡り、夜には閉園後の菊人形会場(市武生中央公園)を"貸し切り"で案内する。
菊人形観賞と旧市街の散策に使うのが、大阪府の企業が開発した「iino(イイノ)」という自動走行モビリティー。この日は、市が企画した観光コンテンツを売り込むためのモニターツアーを実施した。県外の海外向け旅行会社の担当者ら約10人を招き、乗車を体験してもらった。
寺町通りでは、引接寺から総社大神宮へと続く約500メートルをイイノに乗って散策した。時速5キロほどで、石畳の道も難なく走行。金沢市で旅行者の通訳などを行う中国の女性は「疲れることなく、新鮮な気持ちで観光を楽しめる」と乗車した感想を話した。
夜には市武生中央公園で、6人乗りの大型タイプの乗車体験も行った。