江戸時代の肉筆浮世絵や花鳥動物画を集めた企画展「江戸絵画の奇才たち 魅惑の摘水軒(てきすいけん)コレクション」が14日、富山県水墨美術館で開幕した。時代を代表する著名な絵師の名作から無名に近い作家の佳作まで総勢100点を紹介する。江戸絵画を取り上げる同館初の展覧会とあって、初日から多くの美術ファンでにぎわった。11月10日まで。
摘水軒コレクションは、江戸時代後期に千葉県柏市にあった文化サロン「摘翠軒(てきすいけん)」にルーツがある。ここに滞在した花鳥画家、岡本秋暉(しゅうき)の作品をはじめ、多彩な江戸絵画を収蔵している。
10月14日までの前期展では50点を展示。菱川師宣や喜多川歌麿らの肉筆美人画のほか、秋暉による華やかな花鳥画、伊藤若冲(じゃくちゅう)が描いた鷹(たか)の水墨画などが並ぶ。
開会式には摘水軒記念文化振興財団(柏市)の寺嶋哲生理事長(65)、展覧会を監修した富山市出身の美術史家、安村敏信さん(71)らが出席した。
10月17日からの後期展では全ての作品を入れ替え、新たな50点を展示する。県水墨美術館開館25周年、北日本新聞創刊140周年記念事業。同館と北日本新聞社でつくる実行委員会と県主催。