シャクヤクのプリザーブドフラワーをPRする大下さん(右)と北山オーナー

シャクヤクのプリザーブドフラワーをPRする大下さん(右)と北山オーナー

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八尾産シャクヤク長く楽しんで 富山の大下さんが長期保存加工、来シーズンから販売「贈り物に」

北日本新聞(2024年9月18日)

 富山市八尾町黒瀬谷地区でシャクヤクの摘み取り体験の企画運営に携わる大下夕佳さん(38)=富山市=は、シャクヤクを使ったプリザーブドフラワーの商品化を進めている。出荷の規格に合わなかった花を使い、美しい姿を約10年保てるよう加工した。来シーズンから本格的に製造・販売する予定で、大下さんは「一年を通して八尾のシャクヤクの魅力をPRしたい」と話している。

 シャクヤクは英名を「ピオニー」と言い、花は大きいもので直径15センチほどになる。黒瀬谷地区では特産化を目指して約10年前から栽培が始まり、地元の農事組合法人KEK(山口博美組合長)が、21・3アールの畑で26品種約1万本を育てている。

 シャクヤクは固いつぼみの状態で出荷しなければならず、少しでも開花したものは処分していたため、ロスを減らす目的で、地区内外の多業種の人々でつくる「黒瀬谷きらり倶楽部」が5年前から摘み取り体験を開始。化粧品販売の「ハローウェルカンパニー」(富山市南田町)の代表を務める大下さんは、新たな取り組みとして、開花後3~5日しか持たない花を長期間楽しんでもらえるよう、プリザーブドフラワーへの加工に挑戦した。

 生花を専用の液体で脱色・着色し、乾燥して仕上げるが、シャクヤクは花びらが大きく柔らかいため、加工が難しい。運送業などの「アイカワ」(同市水橋市田袋)の加工技術を用いて試作を繰り返し、生花店「ナチュレ」(同市稲荷町)の監修でアレンジを施した。ナチュレの北山雅恵オーナー(49)は「近年はシャクヤクの人気が高まっている。贈り物として需要が期待できる」と言う。

 来シーズンは安定的に製造できる環境を整え、ハローウェルカンパニーやナチュレでのオンライン販売などを目指す。大下さんは「プリザーブドフラワーを贈り、日頃の感謝を伝えてほしい」としている。

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