「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産登録をPRし、交流人口の拡大につなげようと、新潟県佐渡市が交流促進事業に取り組む。11月に江戸時代に金銀を運んだ「金の道」沿線地域の上越市と長野県、東京でウオークイベントを行い、県内外への情報発信を進める。
佐渡金銀山で採掘された金銀は、金山がある相川地区から小木地区に運ばれ、出雲崎港に陸揚げされた後、北国街道や中山道の主要街道を経て江戸に運ばれた。佐渡から江戸までのルートを「金の道」と呼ぶ。島外での交流事業は2023年に続いて2回目。
11月4日は上越市で約10キロを歩く。16日には海野宿があった長野県(上田、東御、小諸の各市)を約15キロ、30日には東京でも江戸時代の装束に身を包んで約10キロを歩く。
9月27日にはキックオフイベントとして、県と佐渡市の共催で、東京の有楽町朝日ホールで「金の道フォーラム」を開く。歴史作家の河合敦さんが基調講演をするほか、金の道沿線地域の関係者がパネルディスカッションを行う。
佐渡市世界遺産推進課は「世界遺産登録の喜びを沿線の皆さんと分かち合い、交流を深めたい。佐渡を知ってもらう機会になるといい」としている。
◆佐渡市で恒例イベント「御金荷の道」10月5、6の両日開催
11月の「金の道」事業に先立ち、佐渡島内では10月5、6の両日、恒例イベント「御金荷(おかねに)の道」が開かれる。江戸時代に金銀を運んだルートを歩く。
市民団体「佐渡を世界遺産にする会」が主催。10月5日午前8時半に佐渡市相川地区の佐渡奉行所を出発し、真野地区の本陣山本家まで約15キロを歩く。6日は午前8時に本陣山本家を出発。小木地区の木崎神社まで約23キロのうち12キロを歩く。
参加無料で昼食付き。小雨決行。両日とも定員100人。1日だけの参加も可能。9月30日までに申し込む。希望者には江戸時代の衣装を貸し出す。
申し込み、問い合わせは佐渡を世界遺産にする会、0259(52)0013=午前9時〜正午=。