伊那市高遠町で22、23日の2日間、恒例の「燈籠(とうろう)祭」が開かれた。会場の町中心部では、稲穂の実りに見立てて五穀豊穣(ほうじょう)に感謝する「ほおずき提灯(ちょうちん)」が商店などの軒先に掲げられ、住民が練り歩きながら「高遠ばやし」を演奏。子どもみこしも出て、多くの人でにぎわった。
地元の鉾持(ほこじ)神社の例祭に合わせて市観光協会や市商工会などが主催しており、22日夕が宵祭り、23日が本祭り。新型コロナの影響で、宵祭りの開催は5年ぶりとなった。日中の雨が上がって迎えた宵祭りでは、約20人が花笠をかぶり、ちょうちんの明かりに照らされながら三味線、笛、太鼓を奏でて歩いた。
23日の日中にあった本祭りは秋晴れとなり、沿道で多くの人が行列を見守った。今回は祭りをさらに盛り上げようと、飲食物や特産品を販売する「お祭り広場」を初めて催した。
市商工会事務局長の小松博康さん(65)は「宵祭りの再開、お祭り広場の開催で、かつてのにぎわいが戻った」と話していた。