10月12日、13日に福井県福井市の一乗谷朝倉氏遺跡で初上演される創作芸能「朝倉狂楽」で出演者が着用する衣装を、同市の啓新高ファッションデザイン科の生徒が制作した。生徒は「自分たちが作った衣装を着てもらえるのがうれしい」と公演を楽しみにしている。
朝倉狂楽は、同遺跡の世界遺産登録を目指し地元有志で立ち上げた一般社団法人「クリエイティブASUWA」が、遺跡の新たな魅力を創造し知名度向上につなげようと企画した。越前町の芸術家、西野カインさんが作詞作曲した音楽「天晴(あっぱ)れ糸桜」で、よさこいチーム「朝倉無限隊夢幻。」が舞う。戦国時代の一乗谷のにぎわいを音楽と踊りで表現する。
衣装は、高校生の自由な発想を取り入れ、一緒に盛り上げたいと同校に制作を依頼した。3年生6人が、8月下旬から取りかかった。着物風の二部式に仕立てることに決め、県内企業から提供を受けた生地を使った。ステージで映えるよう色や柄を組み合わせ、帯には厚手のカーテンを再利用するなど工夫した。3週間ほどかけ12人分を仕上げた。生徒は「数が多く裁断が大変だった。間に合ってよかった」と顔をほころばせた。
24日は、同法人の岸田清会長や朝倉無限隊夢幻。の西村佳晃代表など約10人が同校を訪れ、衣装合わせを行った。西村代表は「斬新なものばかり」と目を見張りながら着用していた。同科の宮原なずなさんは「作った服を誰かに着てもらうのは初めて。人のために制作した経験を今後に生かしたい」と話していた。
朝倉狂楽は同遺跡で開かれる一乗谷文化祭で両日とも午前11時から行われる。