黒部市生地中区の魚の駅「生地」が今月にオープン20周年を迎えるのを記念し、運営するくろべ漁業協同組合は、和紙製の鯛(たい)の形のモニュメントを同施設に設置する。かつて地元の祭りでは鯛の張り子を飾っていたが、ここ10年ほどは傷んで使われていなかった。今回、この張り子をリニューアルし、再び「元気な浜」のシンボルとして親しんでもらう。
魚の駅生地は2004年10月、くろべ漁協の直販施設としてオープンした。漁協は漁業者や漁獲量が減少する中、漁業を再び盛り上げようと、鯛のモニュメントの制作を考案した。
ベースとなる張り子はかつて漁協の有志が作り、夏に行う「生地ゑびす祭り」の「満艦飾船海上パレード」で先頭の船に飾っていた。損傷が激しくなり、倉庫に保管していた。
今回はこの張り子を生かす。7月から作業を始め、アルミ製の骨に和紙を張り直した。高さ3メートル、幅5メートルで、「大漁繁盛」などの文字を入れている。今後コーティングして強化する。
モニュメントは動かすことができ、晴れた日に屋外に置く。今月10日にお披露目する予定だ。制作費と魚食推進活動費用の一部を、5日までクラウドファンディングで募っている。
13日には20周年記念の「大感謝祭」を、魚の駅と隣の市水産物地方卸売市場で開催する。カニや海産物の販売、ミニ競り市を繰り広げる。魚の駅「生地」の川辺二朗支配人は「漁業を元気付け、黒部の魚を発信するのに活用してきたい」と話している。