西塚古墳から出土した副葬品や埴輪、木製品などが並ぶ特別展=福井県若狭町若狭三方縄文博物館

西塚古墳から出土した副葬品や埴輪、木製品などが並ぶ特別展=福井県若狭町若狭三方縄文博物館

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若狭を代表する王墓、西塚古墳の実像とは 若狭三方縄文博物館で特別展

福井新聞(2024年10月2日)

 福井県若狭町若狭三方縄文博物館で、町制20周年記念特別展「国史跡西塚古墳の世界~若狭を代表する王墓の実像~」が開かれている。宮内庁書陵部が所蔵する副葬品や、町が2020、21年に行った発掘調査で出土した埴輪(はにわ)や木製品などが並ぶ。11月4日まで。

 同町脇袋の国指定史跡「西塚古墳」は古墳時代中期の築造とされ、4基ある脇袋古墳群の一つ。周濠(しゅうごう)のある前方後円墳で全長は74メートル。倭(わ)の五王に代表される対外交渉を示す大陸製の貴重な副葬品が多数見つかっているのが最大の特徴だ。

 宮内庁書陵部が所蔵する副葬品は1916(大正5)年に行われた発掘調査で発見された。町内での展示は2007年の町歴史文化館開館記念特別展以来17年ぶり。金製垂飾付耳飾は全国で50例ほどしか発見されておらず、うち2例は若狭町の西塚古墳と向山1号墳から出土している。ともに朝鮮半島南部で作られたと考えられており、西塚古墳のものは中心にコバルト色のガラス玉が埋め込まれている。神人歌舞画像鏡は番塚古墳(福岡)、朱千駄古墳(岡山)、長持山古墳(大阪)など各地域の主要古墳と同型で、西塚古墳の地位の高さがうかがえる。

 5世紀後半(古墳時代中期)の木製の鋤(すき)2点は、町の発掘調査で21年に周濠から出土した。古墳完成直後に投げ込まれ、祭祀(さいし)で使われた可能性があるという。北陸地方で最古とみられる5世紀後半の人物、動物埴輪の破片や、須恵器の一種である筒形器台を模倣したとみられる朝顔形埴輪なども並ぶ。

 担当学芸員による展示解説が26日、11月2日の午後1時半から30分程度行われる。予約不要。近藤さんは「これまでの調査の集大成。展示を通じ、西塚古墳の価値を感じてほしい」と期待している。

 午前9時~午後5時開館、火曜休館。問い合わせは町歴史文化課=電話0770(45)2270。

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