白馬村北城の農地の一角に、赤やオレンジの実をたわわに付けた株が並ぶ。カボチャが枝に実っているようにも、トマトのようにも見える不思議な作物は観賞用のナス。この時季、収穫のピークを迎えている。
育てているのは地元の長谷川修一さん(80)。3年前から約7アールの畑の半分を使って栽培し、村内の「道の駅白馬」に出荷している。直径約5センチ、高さ約2センチのつややかな実の付いた枝を玄関や軒先につるしたり、花瓶に挿したりして楽しむほか、その見た目からハロウィーンの飾り付けにも使われる。
葉を取って枝を切り出し、長さを整えて無数のとげを切るといった手間をかけて出荷する。今年は今までで一番多く実ったとし、「面白い形を見て楽しんでもらえたらいい」と長谷川さん。収穫は10月下旬まで続く。