10月3〜6日に新潟県央地区で開催される「燕三条 工場(こうば)の祭典」に合わせ、新発田市の工芸作家の男性(38)が、ネジや歯車など鉄製の材料を使った魚のアート作品を展示販売する。男性は「アートを通じ、工場への興味を持ってもらえたらいい」と話している。
男性はメタルアーティストの肩書で作家名「MONOR(モノー)」を名乗り、2023年1月から本格的に活動。鉄の質感や輝きに魅了され、既製の金属パーツ同士をネジ止めして造形している。
主に魚をモチーフとし、作品は標本のようだ。パーツの形状を生かして目玉や尾びれを表現し、体の中心部に歯車を配置して、生き物らしさを感じさせる。
作品は一点物だ。およその完成イメージを基に、頭の部分から制作していく。時には廃材も取り入れる。「パーツを見ていると、ひらめきが生まれる。どんな材料を使っているのか、のぞき込んでもらうことを意識して作っている」と語る。
工場の祭典では、会場の一つで、工場から出た端材や不用な部品を販売する「デフィ ジャポン」の店舗「マテリアル ファクトリー アウトレット」(三条市興野1)に出品する。作品は全長10〜40センチほどで、価格は4000〜2万円だ。
モノーさんは展示販売のイベントを通じてファンを広げてきた。現在、県立自然科学館(新潟市中央区)など、県内数カ所で作品を販売している。9月限りで長年勤めた職場を辞め、今回は創作活動一本に絞る節目でもある。
「ものづくりのパーツを従来とは違った目線で見て、工場の祭典を楽しんでもらえたらいい」と意気込んでいる。
問い合わせはマテリアル ファクトリー アウトレット、0256(46)0661。
◆工場や飲食店など109施設を開放、ものづくり体験も
県央地区の工場を一斉に開放する「燕三条 工場(こうば)の祭典」が10月3〜6日、開催される。工場を中心に、飲食店や農園、道の駅も合わせた109の施設を巡ることができる。
4日間の期間中、工場ごとに設けられた開放日に見学できる。自社製品のキッチン用品を使った料理教室や、工業用ミシンでの縫製、スプーン製作などのものづくり体験ができるほか、製品を購入できる施設もある。