標高約2300メートルの北アルプス涸沢(松本市安曇)周辺で、紅葉が最盛期を迎えている。青空が広がった6日は、ナナカマドやダケカンバなどの木々が穂高連峰の岩肌に彩りを添え、大勢の登山者を出迎えた。
一帯は日が昇るとともに霧が晴れ、昼間は風のない穏やかな時間が流れた。登山者たちは目前に広がる景色に「わあ」「すごい」と歓声を上げた。還暦祝いを兼ねて妻と訪れた藤村高穂(たかお)さん(60)=茨城県つくば市=は「最高の天気と紅葉の見頃が重なった」とうれしそうに散策した。
涸沢ヒュッテの小林剛社長(61)によると、今年は気温の高い日や朝の冷え込みが弱い日が続き、赤く色づく前に葉を落とすナナカマドが目立った。ただ、ここ数日で色づきが進んだといい、「青空とのコントラストを楽しんでもらえたのでは」。今後は天候が崩れる予報があり、いつまで楽しめるかは見通せないという。