立山カルデラ砂防博物館の特別展「立山さんろく 自然の魅力」が、立山町芦峅寺の同館で開かれている。立山黒部アルペンルート観光で通過されがちな岩峅寺周辺から美女平までの山麓部の動植物の豊富な標本や解説パネルをそろえ、その魅力を発信している。12月15日まで。
富山市科学博物館との共同企画。動物関連は、立山カルデラ砂防博物館が所蔵する著名な剥製師が手がけたカモシカの幼獣など獣類と鳥類の貴重な剥製標本を並べた。コテングコウモリなどが出す超音波を専用機器で人が聞き取れるようにした音を聞ける展示も目を引く。
植物は、富山市科学博物館の太田道人さんが作った樹木や草花の学術標本32点に加え、芦峅雄山神社の豊富な蘚苔(せんたい)類に焦点を当てたコーナーが関心を集める。会場には立山トンネルトロリーバスのラストランに関するミニ展示もある。
白石俊明主任学芸員は「素通りするのはもったいない立山山麓の豊かな自然を来館者に感じてもらいたい」と話した。