石川県立歴史博物館の能登半島地震復興応援特別展「七尾美術館inれきはく」(北國新聞社特別協力)は19日、金沢市の同館で開幕する。18日は開会式が行われ、来場者は一足早く、能登地区唯一の総合美術館が誇る優れたコレクションの数々を堪能した。
県七尾美術館は元日の能登半島地震で建物や設備に被害を受け、臨時休館している。特別展は、同館の所蔵品や寄託品を通じて能登の豊かな歴史や文化を発信しようと企画された。同館の作品群が金沢で一堂に展示されるのは初めて。
開会式では、藤井讓治館長が「能登の文化振興に果たしてきた七尾美術館の役割を知っていただき、復興に向けてともに歩む契機としたい」とあいさつした。八崎和美七尾市教育長が祝辞を述べた。
七尾市出身の実業家・池田文夫氏が収集した焼き物や彫刻をはじめ、能登ゆかりの仏画や現代作家の作品など113点が並んだ。重要文化財「刺繍阿弥陀三尊像」や、七尾出身の絵師・長谷川等伯が若い頃に名乗った「信春」の署名が入った「日乗上人画像」などが能登の信仰文化や歴史を伝えた。
特別展は11月17日まで。入場料は一般800円、大学生・65歳以上640円、高校生以下無料となる。