東京都江戸川区が新潟県南魚沼市で運営する宿泊施設「塩沢江戸川荘」の温浴棟が、オープンした。8種類の風呂を設け、「大浴槽」や露天風呂は市内でくみ上げられた天然温泉を使っている。日帰り入浴が可能になったほか、大浴槽は車椅子のまま入浴でき、障害のある人や高齢者らに配慮した造りになっている。
江戸川区は高速交通網の整備が進む中、1988年12月に区民向けの保養所として南魚沼市舞子に塩沢江戸川荘を開設した。これを縁に両自治体は交流を深め、2020年に「友好都市盟約」を締結した。塩沢江戸川荘は、ことし3月末までに延べ58万4千人が利用している。
塩沢江戸川荘には宿泊者専用の浴場があったが、天然温泉ではなかったため、宿泊客から「温泉が欲しい」との要望が多く寄せられていた。そこで江戸川区は温浴棟の建設を計画。17億6千万円余りを投じて22年に着工し、ことし7月に完成した。
温浴棟は3階建て、延べ床面積は約5657平方メートル。宿泊棟の別棟として敷地内に開設した。1階はフロントやカフェ、2階と3階は男女入れ替え制の大浴場となっている。大浴槽にはスロープが設けられ、施設備え付けの車椅子で入浴できる。
2階、3階ともに電気風呂や寝湯、水風呂付きサウナなど8種の風呂が設けられ、露天風呂からは南魚沼の四季折々の景色が楽しめる。
オープニングセレモニーが10月19日、塩沢江戸川荘で開かれ、斉藤猛・江戸川区長や林茂男・南魚沼市長らが出席。南魚沼市の郷土芸能「御実城(おみじょう)太鼓」が披露され、テープカットを行った。
斉藤区長は「多くの方に利用していただき、両都市の友好関係が深まることを心から願っている」と話した。
日帰り利用の営業時間は午前11時〜午後8時。料金は南魚沼市民と江戸川区民が入湯税込みで、中学生以上1000円(市民と区民以外1400円)、3歳以上小学生以下は400円(市民と区民以外600円)。土日祝日と年末年始などの繁忙期は200円増し。
問い合わせは塩沢江戸川荘、025(783)4701。