3日に開かれる氷見市の食のイベント「ひみ食彩まつり」で、氷見三昧(ざんまい)実行委員会と氷見カレー学会が、地元産イノシシ肉とマイタケを使った鍋と焼きうどんを提供する。市内で盛んな獅子舞にちなみ、氷見のジビエ「しし舞料理」として普及を目指す取り組み。氷見カレー学会は同日から加盟5店がオリジナルのメニューを順次販売し、魅力を発信する。
ジビエの活用を進める県によると、県内で捕獲されたイノシシのうち、ジビエとして処理・加工されているのは2割弱。氷見市はイノシシの捕獲頭数が県内で最も多い。昨年7月、野生鳥獣肉の加工販売をする民間会社が氷見市余川に処理施設を設け、活用の機運が高まっている。
氷見三昧実行委は市内の旅館などで"食都(しょくのみやこ)"四季を彩る氷見三昧キャンペーンを展開しており、ゴボウやサトイモも入れた「しし舞鍋」を200食用意する。9月の試食会では「臭みがなく、食べやすい」との評価を受けた。
実行委メンバーで民宿を営む菅田宏幸さん(47)は市内の旅館でも前菜やコース料理のサブの食材として使える可能性があると言う。「鍋でなく、焼いても良い。市内の飲食店で『しし舞料理』が広がればうれしい」
氷見カレー学会はキャベツや氷見うどんと組み合わせた「氷見カレー焼きうどん」を500食提供する。会長の金谷和義さん(53)は「イノシシ肉は脂身もおいしい」と話す。
加盟5店でオリジナルメニューを展開し、金谷さんが営む「製麺所なごみ」はイノシシ肉のチャーシューとマイタケの天ぷらを入れた氷見獅子舞うどん、「レストハウス ツーロン」はイノシシと豚、牛のひき肉を使ったハンバーグを用意するなど各店が趣向を凝らす。「将来はメンバーの店を問わずに氷見産イノシシ肉を食べられるようになれば氷見の活性化にもつながる」と期待する。
ひみ食彩まつりは3日午前9時半から市漁業文化交流センターと周辺で開かれる。北日本新聞社後援。