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信濃毎日新聞(2024年11月12日)
熱気球が盛んな「バルーンのまち」の佐久市で9、10日、熱気球の観光フリーフライトが12月から始まるのを前に、報道関係者向けのテストフライトがあった。地上とロープでつながれている係留体験とは異なり、自由に飛行できるフリーフライトは条件が良ければ高度約千メートルまで浮上する。雲の上から眺める浅間山(2568メートル)の雄大な姿は格別だった。
気温0度の9日午前7時、佐久市望月をゆっくり飛び立った。バーナーの炎でバルーン内の空気を暖め、少しずつ上昇。地上にいるスタッフや周りの建物、木々がどんどん小さくなっていく。
この日の最高高度は700メートル。雲の上に出ると、太陽の光が温かく、音のない静かな空間。眼下に広がる雲海にバルーンの影が写り、周りに虹色の光の輪が現れた。「ブロッケン現象」だ。遠くに北アルプスや富士山が見えた。
操縦するパイロットの一人、佐久熱気球クラブのパイロット須江哲洋さん(59)は「佐久の自然を空から満喫できる。非日常を体験して」と勧める。
1時間くらいのフライトを終え、同市鳴瀬の千曲川スポーツ交流広場付近に着陸した。天候が良ければ360度の大パノラマを楽しめる。新たな観光の目玉になりそうだ。
(堀内彩未)