社会福祉法人「舟見寿楽苑」(入善町舟見)が運営する「ふなみの湯ふれあい温泉」のブログが今月、2012年11月の掲載開始から3千回の節目を迎えた。生活相談員の本波隆さん(73)が執筆を担当し、車で通勤中に目にしたことや日々の暮らしの中での気付きをつづってきた。「これからも楽しく書き続けたい」と話している。
黒部市宇奈月町浦山に住む本波さんは、マイカーで職場に向かう約10分の間に二つの題材を探す。季節の移ろいや道ばたの様子、すれ違う住民の姿など日によってさまざまだ。音やにおいもきっかけになるという。
出勤してからパソコンで約430字にまとめ、午前9時までにアップする。最後は決まって「温泉に入って(中略)~と考えるのも...」と結んでいる。「あいさつに努めているか」「備える大切さを認識したか」「スマホの使用は誤っていないか」と自戒を込めた内容を記す。
12年にわたる掲載で営業PRはない。直近の閲覧数は9月に5497件、10月に5120件だった。「読んでくれる人がいてうれしい。題材を決められずに職場に着いたこともあったが、長く書かせてもらえることに感謝したい」と振り返る。
3千回を迎えたのは今月14日。降雪を前に紅白の棒が伸びた道路ポールと、自転車4台が出されたゴミ置き場に触れ、地域のために人知れず汗を流す人たちに思いを寄せた。15日には3001回目を載せ、「これからも日常のちょっとした変化に気付き、その時に感じた気持ちを思いのままに書いていきたい」と語った。