佐久地方では例年より1~2週間程度遅い紅葉シーズンを迎え、各地が赤や黄色に彩られている。多くの観光客が錦秋の名所、旧跡を訪ね、カメラを向けたり、空の青とのコントラストを楽しんだりと行く秋を惜しんでいる。
佐久市前山の貞祥寺では、モミジやカエデ、イチョウは今がピーク。寺によると、例年より1週間ほど遅い今月10日ごろに見ごろを迎えたという。境内は、古刹(こさつ)と紅葉の共演を目当てに、写真撮影を楽しむ人が目立つ。8年ほど前から撮影に訪れている東御市の関隆夫さん(82)は「ここは紅葉に差す光の具合が良い」と笑顔を見せた。
七五三参りでにぎわう同市岩村田の鼻顔(はなづら)稲荷神社は、モミジが真っ赤に色づく。写真に収めた近くの林誠さん(77)は「鳥居から延びるモミジのトンネルは見事です」。
小諸市の小諸城址(じょうし)懐古園は、例年より2週間ほど遅く紅葉の見ごろを迎え、今週いっぱいは楽しめそうだ。同園によると、イチョウやケヤキは落葉が目立つものの、モミジは「今がピーク」。18日も多くの観光客らの姿があった。
街路沿いの景色も鮮やか。国道254号が走る佐久市内山の内山峡では、カラマツが黄色に輝く。市観光課の担当者は「今年は冷え込みが遅く、見ごろは例年より1~2週間ほど遅い」。ススキも広がり、今週いっぱいは楽しめそうだという。
軽井沢町では一足早く、紅葉の最盛期を終えようとしている。ただ、まだ楽しめる場所もあり、中軽井沢や旧軽井沢方面に向かう国道18号沿いでは赤や黄、緑色のグラデーションを織りなす木々を眺めることができる。