南北朝時代の諏訪地域を舞台とした漫画「逃げ上手の若君」に登場する宗良親王(1311~85年ごろ)が、仮御所を置いたと伝わる岡谷市長地出早の出早雄小萩(いずはやおこはぎ)神社が、宗良親王の特別御朱印を作った。地域でも仮御所を置いたことを知る住民は少なく、神社の歴史を知ってもらおうと制作。月1回、御朱印を頒布する社務所には漫画の単行本を置き、ふらっと立ち寄れる場所にしたいと思い描く。
宗良親王は後醍醐天皇の第8皇子。岡谷市長地柴宮の別の場所にも仮御所を置き、南朝勢力の再建を目指したとされる。出早雄小萩神社の五十嵐輝(ひかる)宮司(53)によると、仮御所については口承で伝わってきた。滞在期間など詳しいことは不明だが、本殿の横で祭る天神様の横に建てられたという。
神社には既に御朱印はあるものの、7月にアニメ「逃げ上手の若君」のテレビ放送が始まり、漫画には宗良親王が登場したこともあって「波に乗ろう」と30枚を制作した。急だったため「宗良親王仮御所」の印や神社名は印刷で済ませた。今後は特別なはんこを作って神社名を手書きした御朱印を頒布する予定。
出早雄小萩神社は宮司が常駐しておらず、原則、宗良親王の月命日の毎月14日午前9時~午後3時に社務所で頒布する予定。1枚500円。社務所窓口には漫画の単行本計17巻も並べた。五十嵐宮司は「気軽に立ち寄ってゆっくりできる場にしていきたい」と願っている。