志賀町町安津見(あづみ)西山のJA志賀西山選果場で28日、町特産の干し柿「能登志賀ころ柿」の出荷作業が始まった。能登半島地震などの影響で出荷量は例年の約半分と見込むが、果実は大ぶりで上々の味わいと食感に仕上がった。
生産農家が持ち込んだあめ色の柿を、JA志賀ころ柿部会の検査員が色合いや大きさで等級分けし、傷の有無を確かめた。個包装や箱詰め作業も行われた。
JAによると、震災で作業場が全半壊したなどの理由で、生産農家は前年より15軒少ない97軒となった。材料の最勝柿は、猛暑や豪雨による病虫害の拡大で収穫量が減り、出荷量は例年約32トンのところ、約16トンにとどまるとみている。
ころ柿の生産量は減少傾向にあるが、JA志賀と町、県中能登農林総合事務所が8月に「JA志賀果樹産地協議会」を結成し、来年度から管理されていない柿の木の伐採をして病害のまん延を防ぐなど、産地を守る取り組みを進めている。
JA志賀ころ柿部会の吉野成明部会長(68)は「ふるさとの味を守る生産者の思いを感じてほしい」と話した。検査は来年1月上旬まで続く。